『リュックマン物語』

幸福と夢を探して今日もリュックマンは旅します・・・・

リュックマン」

    

     「うー」            「ぶー」

『第一章・・・旅の始まり』

この人形は何?リュックしょってるね・・・女の子が訪ねました。
深く帽子をかぶった老人は、少し顔を上にあげて答えました。
「このリュックの中には宝石が入っているんだよ。」

リュックマンが、なぜ宝石を探しているかって?
それはね…遠い遠い海の向こうの冒険島「パピ」から始まるんだ。

広い海の、ある一点に来ると突然霧に覆われ、舟は一方向に進み、伝説の「パピ島」に流れ着く。島に着くまでの間は、重苦しい空気と霧のせいか、ひゅるる…と眠ってしまうので、パピ島がどこにあるのかは誰も知らない。島に着くと、石の妖精たちが現れ、一人の青年が舟の上に浮かび上がり、光と共に静かに島へ運ばれた。不思議なことに青年が地に着いたと同時に舟はまた海へ帰って行った。
島には高い山々がいくつかある。山にはうっすらと、もやがかかり不思議な気配が漂っていた。
島に足を踏み入れられるのは、石の神に導かれた者だけ。なぜならその者には神の力が授けられるから。

青年が目を覚ますと、とてもきれいとは言えないコートと帽子と靴、そして空(カラ)のリュックが足下にあった。言葉を話さない妖精が、”これを着て”というしぐさで青年の手をつついた。青年はコートを着てリュックを背負った。するとリュックの中で「ゴリッ!」と何かが動き少し重くなった。リュックの中を見ると、宝石が一つ光っていた。不思議なことだ。妖精は青年を石の神のもとへ導いた。

導かれた洞窟の奥には白いヒゲの老人がいた。石の神だ。
神は、しゃがれた声で彼のことを『リュックマン』と呼んだ。


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